2009年12月9日水曜日

BBC : 地球温暖化のおかげでヨーロッパの文明が生まれた!

これは実にいい番組だった:
BS朝日 - BBC地球伝説:"そして、今からおよそ1万年前、再び地球の軌道が変化し、長く続いた氷河期は終わりを告げた。100年足らずの間に気温は10度も上昇し、氷河は一気に溶け始める。何万年分もの雪解け水でヨーロッパ大陸の川は勢いを増し、川の氾濫によって多くの湖が生まれた

大陸中を覆っていた氷河が溶けたことで海面の水位は100メートル以上も上昇し、新たな海岸線が生まれた。これによって、ヨーロッパ大陸の輪郭が、現在とほぼ同じになったのである。ヨーロッパの気候は暖かく穏やかになり、大陸は再び森で覆われ、生命に満ち溢れた。氷河期の到来と終結が、ヨーロッパ大陸の地形と生態系を大きく変えたのである。"
わずか1万年前だったと言うことに、正直感動。ほとんど「歴史時代」の出来事である。気候が変動することで新たな文明が生まれる。「地球温暖化防止原理主義者」達は、この番組をどう見たのであろうか。

そもそも「地球温暖化」なんて本当なの?という「地球温暖化懐疑主義」がヨーロッパで広がっているという:
Climat : le scepticisme, un nouveau poujadisme ? | Rue89: "L'unanimisme qui entoure le sommet de Copenhague a mis à la mode les théories climato-sceptiques.."

www.com-vat.com: "Le bitume est une jungle. Et dans la jungle, il faut apprendre à hurler avec les loups (oui, oui, je sais, il n'y pas de loups dans la jungle. C'est juste une image)."

ハトポッポ君は、きっとこれが「ナウ」なテーマだと思って飛びついたんだろうけれど、実際は「アウト」なテーマだったのである。ニッポンだけが馬鹿を見ることが、日に日にあきらかになりつつある。「エエカッコシイ」君のパフォーマンスのコストを払わされるのはわれわれ納税者。やりきれない。

おいらは地球物理学の専門家でもないので、地球温暖化が本当かどうかという議論には興味はない。自分が完璧に理解できないことは信じない主義なのである。しかし、かりにその仮説が正しいとしても「温暖化」も悪くないんじゃないかと昔から思っていた。それ以上に、たかがちっぽけな人間が地球の気候変動を左右することが出来るという「思いこみ」には嫌悪感をおぼえる。身の程を知らない不遜な企てだ。神様が知ったら、きっとお怒りになるだろう。

3 件のコメント:

アクエリアン(略称:アク) さんのコメント...

産業活動が「たかがちっぽけな人間」とは言えない量になったことが問題なんです。多くの観測データが積み重ねられ、数多の懐疑論を乗り越えて、今何かをしないと後戻りできないという懸念を大多数の関係者が共有するようになりました。そのための協同作業がようやく進んでいます。各国同士の国益をどう調整をするかは熾烈な問題ですが、対策の必要性そのものに背を向けることは、特に嫌悪感というような感情論を持ち出して反対することはいかがかと思います。

Unknown さんのコメント...

アクさん、こんにちは。

むかし小松左京の『日本沈没』というのがありましたが、その中で印象的だったくだりがありました。いよいよ日本沈没が現実のものとなり、内閣総理大臣は一番エライ漢学者に「ニッポン人は今度世界でバラバラになって生きて行くことになるが、そのための今の日本政府のやるべきことは何か」というテーマで答申を依頼する。数ヶ月後に出てきた答申は「何もするな」というもの。こいつはとても面白かったです。老荘の教えは真理。

ところで、温暖化でも悪くないんじゃないかと言うことですが、人類は厳寒の地にも灼熱の地でも、乾燥地でも湿地帯にでも生きて行ける動物。でも総じて言えば、気温が高く水が多い土地に住むのに向いている。温暖化でシベリヤや南極に広大な居住可能な地域が広がることはいいことじゃないですかね。第一、地球が温暖化すれば暖房のために火を燃やす必要もなくなるし、水没した地域で経済活動が縮小すれば、原理主義者が言う温暖化ガスもそもそも出なくなる。エアコンを使うだろうというのですが、人間は何万年も、暖房は必要としましたが、冷房とか言うそんな贅沢はしてこなかったです。

☆の さんのコメント...

初めまして。
いつも楽しく読ませてもらっています。

(気候変動に関わる)人間(の活動)がちっぽけかどうかについてですが・・・・。
以下を比較するといかにちっぽけかがわかります。
1.地球全体の炭素の量(石灰岩は昔は全て二酸化炭素でした)。
2.地球大気全体の二酸化炭素の量
3.地球大気に占める二酸化炭素の割合
4.全温室効果のうち二酸化炭素の寄与する割合
5.地球全体で一年間に放出される二酸化炭素の量
6.人間の活動によって一年間に放出される二酸化炭素の量

ちなみに「6」は「5」の3%程度だそうです。